山形県大江町、月が丘にある小さな農園です。ラ・フランス、ワイン用のブドウ、スモモを主に栽培しています。
朝日連峰、月山、葉山に囲まれた盆地。近くに最上川が流れ、朝日連峰を水源とする月布川が合流します。ここは自然を直に感じられるところです。山が近く、森があって、水が澄んでいる。
盆地特有の気候で、夏は暑く冬は寒い。年の1/3は雪に覆われます。春が遅く、ようやく雪が解け始めると、自然が一気に躍動します。
昼夜の寒暖差が大きいこの地域は、果物が甘く育ちます。
園主は東京生まれ東京育ちで、農家になるために縁もゆかりもなかった大江町にひとり移住しました。2年間の研修を経て、地域の方々に助けられて2018年に独立しました。
先達から引き継いだ果樹園に、師匠から教わりながら少しずつ手を加えています。寿命を迎えた木を倒し、苗木を植える。畑を更新するのは楽しい作業です。
苗木が育ち、実が収穫できるのは数年後。農業の時間スケールは受け入れるしかありません。
山形で果樹農家をするならラ・フランスは外せません。独特の美味しさで、世界に誇れる果物です。
ラ・フランスは生育期間が長く、手間がかかります。春に開花して、実を収穫するのは秋。さらに数週間追熟させて、ようやく出荷できます。開花から半年後です。手間のかけ方が実の出来を左右します。
ラ・フランスの他にもコミスという洋なしを栽培しています。品のある甘さで爽やかな、好きな品種です。数が揃わないためまとまった出荷はできませんが、知人にだけお裾分けしています。
当園が特に力を入れているワイン用のブドウ。赤ワインの原料になるマスカットベーリーAを栽培しています。出荷先のワイナリーの方にも畑に来ていただきながら、毎年仕上げていきます。
味が濃く適度に酸味があり、そのまま食べても美味しいブドウです。ワインは糖度が重要なので、ギリギリまで完熟させて収穫します。
まだ本当に満足がいくブドウはできていません。理想に近づくように、毎日の作業を怠らず、天気を味方につけて、これは年月を重ねるしかありません。
ワイン造りに関われるのは嬉しいです。農業そのものに対する見方が変わります。才能ある醸造家の方達とのご縁に感謝です。
当園が引き継いだスモモ畑は、古木が多く樹間が狭いたいめ、苗木を植えて、間伐をして、畑を作り直しています。苗木を無事に育てることができたら、農家として一人前です。
木に負担がかからないよう、実のならせ方や剪定に気を配ります。完成形をイメージしながらの作業です。
樹上完熟させたスモモは別物です。目を離すと落果してしまうし、配送にも不向きなので市場には出しません。ご希望の方にだけ、直接お譲りしています。
年間を通して果物を身近に感じていただけるように、少しだけジュースを作っています。果汁100%、無添加です。果物をそのまま味わっていただけます。
マスカットベーリーA
100%ジュース
赤ワインの原料として人気があるマスカットベーリーAというブドウの原液です。しっかりしたブドウの味わいがあって適度な酸味もあり、濃厚なのに軽やかです。
取扱店:エンドー
山形県山形市長町2-1-33/10:00~19:00/日・月曜休/023-681-7711/gesoten.jp
コミス&ラ・フランス
洋なし100%ジュース
幻の洋なしコミスとラ・フランスを、独自の割合でブレンドしています。甘過ぎず口飽きしません。サッパリした口当たりです。よく冷やしてお召し上がりください。
取扱店:GEA
山形県寒河江市元町1-19-1/11:00~19:00/火曜休/0237-86-7730/gea.yamagata.jp